誰が書いたのか調べたい対象物を「鑑定資料」と呼び、それと照合するための誰が書いたか明らかなものを対照資料と言います。ですから、筆跡太郎さんが書いたという遺言書があり、それが本当に筆跡太郎さんが書いたものであるか調べたというのであれば、筆跡太郎さんが書いたことで間違いのない対照資料を用意する必要があります。
精度を上げるために望ましい条件は以下のようなものになります。
・ 鑑定資料と対照資料に同じ文字が多種・多数書かれている。
・ 鑑定資料と対照資料の筆記時期が近い。
・ 鑑定資料と対照資料は同じ筆記用具で書かれている。
・ 鑑定資料と対照資料が原本である。
鑑定資料に「神奈川県横浜市青葉区藤が丘 筆跡太郎」と書かれていれば、対照資料としてはそれらの文字と同じ文字が多く書かれているものが望ましく、さらにそういった資料が複数あると精度があがります。照合可能な文字が少ない場合、たまたま異なる書き方をしたということで、別人の筆跡ではないかと誤った判断につながりかねません。また、筆記時期が離れていると書き方の自然な変化や傷病による変化がある可能性が高まります。筆具は、鑑定資料がボールペンで書かれていれば、対照資料もボールペンで書かれたものが良く、サインペンや毛筆など異なる筆具では書き方にも差異が生ずることがあります。よほど状態の悪いものでなければコピーでも鑑定を行います。しかし、微細な点を確認するためには原本資料の方が勝ります。
