領収証の数字に加筆して金額を水増しするといった行為があります。その場合ですが、元々の筆跡と同じような色味と太さのボールペンを用い加筆したとししても、赤外線カメラで加筆行為が判明することがあります。元々の筆跡と加筆で使った筆具のインクに赤外線に対する反射率の違いや反射の有無があると、撮影した場合にインクの濃度に差があったり、インクが赤外線を反射せず透過してしまうと何も写らないということで加筆が分かるのです。
これが、領収証が原本ではなくモノクロコピーであれば赤外線に対する反射率の違いはないため加筆があったとしても分かりません。ところが、モノクロコピーされた資料を赤外線カメラで撮影し、ここそこに不自然な点があるから、これは別人によって偽造された筆跡であると主張する鑑定人がいました。また、その鑑定人は鑑定の対象である筆跡(鑑定筆跡と言います)を加工した筆跡画像を鑑定書に記載するなど、自分の依頼者にとって都合の良い鑑定結果となるべく行われたと考えられる不正な行為も見られました。この画像の加工は、確かに鑑定筆跡を拡大し解説したページではその鑑定人の指摘する状態になっていましたが、資料全体のコピーを見ると加工前のもののため、指摘内容と異なることで判明したものです。実は、このような不正行為をする鑑定人は他にもいます。そのお話はまた後ほど…
