
人の目では、元原稿を正確に再現しているように見えるコピー(写し)。しかし、コピーはその過程で歪みが起きることがあり、元原稿のイメージを正しく再現できているとは限りません。表示された画像はある書面の署名欄ですが、塗りつぶした名前の筆跡の下の罫線が直線ではありません。元原稿ではもちろんこのように歪んだものではなく、直線状です。
例えば、筆跡の字画のわずかな向きがポイントとなるような事案では、こういった歪みが発生している資料で正確な筆跡鑑定は困難です。というよりも、差異があったとしてもそれが書き手が異なることが理由なのか、それともコピーでの歪みなのか判断がつかないからです。このようにコピーには問題点があります。
また、数値解析による鑑定手法をとる鑑定所がありますが、精緻に数値を計測するのは良いのですが、歪みの発生した資料を用いた場合はその精緻さが仇になり、本来同筆と見るべきところを「別人が書いた筆跡」と誤りかねませんので注意が必要です。

