筆跡鑑定人ブログ
筆跡鑑定人ブログ−33 |
筆跡鑑定人 根本 寛 |
このコーナーに書くのは、事実に基づく、筆跡鑑定人の「独り言」 のようなものです。お気軽にお付き合いいただければ幸いです。 |
スコトマと筆跡 (09−3− 26) |
■ | スコトマという偏った思い込み 先日、ある講演を聴きに行ってスコトマという言葉を知りました。コーチングやカウセラーをやっている方はご承知のことでしょうが、私は初めてでした。 地方から出てきたある若者は「東京に行って町を歩けば芸能人にいくらでも会える」(笑)と思っていたそうで、これなど典型的な思い込みですね。 妻は子供のころ「アメリカ人は皆金髪で目が青い」と思い込んでいたそうです。私は田舎で育ちましたが「都会の人は肉体労働をしないので皆モヤシのような体型だろう……」と思っていた時期がありました。考えてみれば、社会経験の少ない子供の頃は、誰でも「スコトマだらけ」なのかも知れませんね。 子供のスコトマは罪がありませんが、これが、会社の上司やリーダーの スコトマとなると周りの人には大変有害なものになります。「本人は進歩的な人物のつもりでいるけど、周りの人から見ると超保守の頑固者」というようなことは多いものです。 実は、多くの人は「自分のことはわかっている」と思っていますが、人は誰でも、大なり小なりスコトマに囚われているということです。 | ||
■ | 現状打破ができない理由 今の時代は、どこの会社でも、今まで以上の成果を挙げるよう変革が求められています。私は経営コンサルタントとして30年のキャリアですが、どこの会社でも、若手社員の新しい提案を「うちの会社の実力じゃ無理だよ」などといって取り上げようとしない上司がいるものです。 私どもは「筆跡心理学の教育」を行っているのですが、筆跡心理学を学ぶメリットの一つは「自己を深く知る」ということがあります。これはまさに「スコトマに気付く」という重要なものなのです。 筆跡を介して自分の性格やパーソナリティを再確認するということは、まさにスコトマの気付きそのものなのですね。 |
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■ | 「ジョハリの窓」理論にもスコトマが スコトマが存在するセルフイメージは、自分で理解している顕在イメージと、意識されていない潜在イメージの二つがあります。そして、顕在イメージよりも潜在イメージが遥かに強力に私たちをコントロールしているのです。 このセルフイメージについては、「ジョハリの窓」という有名な心理学の理論があって、これはスコトマと密接に関係しています。この理論では、私たちは、つぎの図のように四つの窓を通して自分を理解しているといわれます。 @「オープンな窓」……自分の性格について、自分も周囲の他人も理解している窓。 A「秘密の窓」……自分の性格について、自分は知っているが周囲の他人は理解していない窓。 B「盲目の窓」……自分の性格について、周囲の他人は理解しているが自分ではわからない窓。これがスコトマです。 C「未知の窓」……自分の性格について、自分も周囲の他人も理解していない窓。 3番目の「自分の性格について、周囲の人はわかっているが自分ではわ かっていない盲目の窓」こそ、スコトマそのものなのです。 |
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■ | 筆跡から見えるスコトマ たとえば筆跡からどのようなことがわかるかという一つの例を挙げましょう。皆さんも実験してみてください。適当なメモ用紙が何かに、気楽に「東京」と書いて見てください。 図と照らし合わせて、文字の横線が右が上っているのか、水平気味なのか、右が下がっているのかを見てください。 @の右が軽く上る人は、常識的でやや保守傾向の人です。 Aの右が下がる人は、批判的で一家言を持つ人が多いのです。 Bの水平気味に書く人は、保守でもなく革新でもない中道派の人です。 これは、心理学的分析で占いではありません。まず@の軽い右上がりの人ですが、漢字は本来軽い右上がりで書くのが標準となっています。それを素直に実行しているのは、世の中で良いといわれることを素直に実行しているということで常識的であり、保守傾向の人といえるのです。 Aの右下りの人です。この書き方をする人は、世の中で良いといわれることに盲目的に追従するのをよしとしない人です。常識といわれるようなことに単純に追従しないのは、批判精神があるからです。 だから、このような人は、社長が新方針を出したりすると「くだらん!」などと、まずは批判することが多いのです。 それだけに、このタイプ人は評論家など文化人が多いのです。世も中は、何でも良いと受け入れる人ばかりでは進歩がありません。このような批判精神の持ち主は、少数派ですが、貴重な存在といってもよいでしょう。 Bの水平気味に書く人です。このタイプの人は、保守でもなく、革新でもなく中道派の人です。何事にも公平でクールな対応をすることが多いでしょう。 | ||
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■ | 自己理解が深まることで他者理解も深まる いかがでしょう。あなたは自分で自覚しているセルフイメージと、ここでの解説が一致していると感じたでしょうか。 |
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