| (隔月誌「Mi」06年12月号より) |
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今日はあらゆる意味で大きな転換期である。あらゆる業界、あらゆる商品が、いわゆるライフサイクルでいう成熟期を過ぎて「衰退期」差し掛かっている。 図1に見るように、大抵の業界も製品も、今までの延長線上では成長は困難で、新たな発展のファクターを探している。ここで再挑戦の新しいファクターを見つけられなければ、衰退は加速し、ついには消滅の運命が待っている。 |
≪図1 ライフサイクル≫ |
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■変化のあるところ機会あり |
大事なことは、このような環境変化を「チャンス」と見るか「脅威」と受け止めるかである。変化のあるところ必ずチャンスがある。もし、あなたが環境変化を困ったことだとしか受け止められないなら、経営の世界から引退を考えるべき時期かも知れない。 IT業界の若手などは、チャンス到来と受け止めているものが大部分だろう。九月にはネット企業「ミクシィ」が東証マザーズに上場した。社長は三十歳である。売上高18億、利益5億しかない小さな企業が時価総額二〇〇〇億と評価された。これは、売上高三八〇〇億・税引利益八六億円の明治製菓とほぼ匹敵する。 このような転換期には、自社の事業を改めて見直し、新しいファクターを発見する必要がある。 図2をもとに、簡単に復習しよう。スタートは「経営理念」である。経営理念とは「経営者の価値観を土台にした事業観」といえる。これを確立するためには、「わが社は何のために存在しているのか」、「わが社にしかできない価値のあることは何か」というような根源的な問いかけを何回もやって深めていくことが大切だ。 それが、はっきりしてきたところで、長期的な目標、すなわちビジョンの確立である。 ビジョンは、つぎのような点を重視してまとめる。すなわち、本音で語る「本望性」、将来どのような会社にしたいのかが明快に語られる「明快性」、関係者全体が待望する「全員の待望性」などである。 |
≪図2 理念から計画へのプロセス≫ |
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■経営戦略は勝つためのシナリオ |
ビジョンのつぎが戦略になる。 戦略とは比較的新しい概念であるためか、他の用語と今ひとつ整合性がよくない。たとえば、ビジョンのつぎには、従来ならば「経営方針」がくるところであるが、今日では、ここに経営戦略が入る。そして一般には、「経営計画」「経営実践」とつながるから、「経営方針」は宙に浮いてしまう。 しかし、経営に関して「どのような方針で臨むのか」は外すことのできない重大要件である。一方、 経営戦略とは、「ビジョンを達成するためのシナリオ」と定義できるから、この中には当然、経営方針と呼ぶべき要件も入る。 そこで、私の考え方であるが、図2のように、経営戦略の中に経営方針も包含してしまうのが良いのである。そして、経営戦略と経営方針を一つのものとして扱ってまったく問題は生じないはずである。たとえば、「今後三年で製品の中心を○○分野に転換する」というテーマがあったとすれば、これは立派な戦略であるし、重要な経営方針ともいえるのである 経営戦略は、ビジョン達成のシナリオであるから、構築はつぎプロセスで進めるのが一般的である。 @ ビジョンまたは中長期の目標の策定。 A 自社の現状および将来の的確な把握。 B 自社の顧客はどのようなニーズを持っているか。自社はそのどれに対応すべきか。 C そのためには、他社に真似のできない、どのような強みを築いていけばよいのか。 以上のA〜Cが、経営戦略に当たる。もちろん、A〜Cを検討した結果、再度@に戻って調整するということもある。 |
■PPMによる自社の現状把握 |
まず自社の現状および将来像を正確に把握することが大事である。そのためには、まずは、「ポートフォリオ・マネジメント理論(PPM)」で、事業フォーマットを考えて見るのがよいだろう。 PPMは、かってGMが事業再編のために採用した理論である。 これは、図3のように、横軸に「売上・利益」の大きさをおき、縦軸には「将来性」をおいて、自社の製品分野や事業分野を四つの象限に分類して分析する。横軸には本当は「シェア(占有率)」をおくのだが、シェアは分かりにくいことが多いので、「売上・利益」に切り替えても大勢に影響はない。 |
≪図3 PPM≫ |
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この手順はつぎのようになる。 @ 自社の製品あるいは事業を、一定の基準または戦略的に分類していくつかのグループに分ける。 このグループをSBU(Strategic Bisiness Unit)と呼ぶ。 A このSBUを「売上・利益の大小」と「将来性の大小」で分類して4象限に割り付ける。 B 4象限はつぎのように命名され、それぞれつぎのような性格である。 ●スター……売上・利益も大きく、将来性もあるグループ。 ●金のなる木……売上・利益も大きく大黒柱であるが将来性は期待できないグループ。 ●負け犬……売上・利益ともに小さく、しかも将来性もないグループ。撤退のタイミングを考えるようなグループ。 ● 問題児……売上・利益はまだ小さいが、将来成長する可能性も秘めているグループ。 |
■楽しみな育成事業があるか |
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