「月刊 中小企業家」 2006年8月1日発行

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Q&A

回答者
根本 寛 (目黒支部)
近代経営研究所・代表
中小企業診断士・経営コンサルタント
TEL 045-972-1480 FAX 045-972-1480
http://www.kcon-nemoto.com

「クレ―ム対応業」とは?

Q 飲食店を2店経営しています。うち1店で客が減少しています。調べてみたらクレ―ムが多く、社員の対応も悪いようです。店長や社員にどのように指導していったらよいでしょうか。

A 「顧客満足」にかかわるテーマですね。飲食業に限らず、お客様と接する仕事ならどのような業種でも重要なテーマです。アメリカの調査では、販売でもサ―ビスでもお客様の約40%は何らかの不満を持っていると分かりました。日本の企業が行った調査でもほぼ同じような結果でした。

Q 不満を持ったお客様はどのように行動するのでしょうか。

A 不満客のうち約20%のお客様は苦情をいい、そのお客様の過半数はリピータ―になってくれます。しかし、80%のお客様は「黙って去ってしまう」のです。つまり、100人のお客様があったとして、32人(0.4×0.8)のお客様は二度と来てくれないのです。

Q すると不満を言ってもらうことが大切ですね。お客様はなぜ不満を言わないのでしょう。

A ―番多いのは「誰に言えばよいか分からない」ということです。次は「いい加減に扱われて嫌な気分になるのでは」という気持ちからです。
 ですから、対策としては、第―に「クレ―ム大歓迎」のメッセージを打ち出すことです。第二に、誰に言えばよいのかなど「お客様がクレ―ムを言いやすい環境をつくる」ことです。普通の商店では、レシートに「ご意見がありましたら、どのようなことでもぜひお聞かせください」と大きく印刷するなどの対策も有効です。もちろん電話番号も分かりやすく記入します。

Q お客様向けの対策は分かりましたが、社員の意識をどうやって高めていけばよいのでしょうか。

A それが大切ですね。私は特に「サ―ビス業はクレ―ム対応業」だと言っています。たとえば皆さんも、ホテルに泊まって何らかの不満を持つことがあるでしょう。つまり、サ―ビスの内容が多岐にわたるため、どれほど注意をしてもなかなかクレ―ムをゼロにすることは難しいのです。無論、クレ―ムゼロへの努力は大切ですが、一方で、「クレ―ムへの対応が生死を決める」という意識を持つことが大切です。
 私もある店で「生ぬるいビール」を出されて、腹を立てたことがあります。しかし、従業員の対応が大変真面目で真剣だったため、逆に感激して、以後、その前を通るたびに立ち寄るようになった店があります。最初にクレ―ムがなかったら、そんなロイヤルユーザ―にはならなかったでしょう。つまり、「クレ―ム対応業」というのは「クレ―ムへの態度で信者客を作ることもできるし、永久に追い払ってしまうこともできる」ということです。
 また、クレ―ムがあればこそ改善点が発見できるわけです。―流ホテルなどでは、コンサルタントが、「ミステリー・ショッパー」と称して、客になりすまし、サ―ビスなどをチェックする方法が盛んです。本来、大変お金のかかるこのようなことを、お客様が無料で引き受けてくださるのですから、ぜひとも、真剣に対応して、店の改善やロイヤルユーザーの創出に生かしてください。