今回は、「どんぶり勘定で金銭感覚がない。働きたいが何が向いているだろうか。体調もいまひとつで不安」とおっしゃる36歳の「ネロリ」さん(女性)です。ご質問の文面からは、30代後半に入った「ネロリ」さんが、今までの自分から脱皮して新しい人生を歩みたいという前向きな気持ちが伝わってきます。気づいてから行動を起こすまでの時間が長ければ長いほど、ストレスも多くなります。筆跡から、未来の一歩を踏み出す足がかりを探してゆきましょう!
まずは全体のバランスから見て行きましょう。文字は体調が悪いとは思えないほど、ハガキいっぱいにしっかりと力強く書かれています。エネルギー不足の人には到底このような字は書けません。そのうえ、かなり上部からの書き出しで「天ツマリ型」の傾向があります。ということは、体力やる気も満々なのに、そのありあまるエネルギーを流す先が見つからなくて内側で渦巻いてることが「体調の悪さ」を引き起こしていると考えられます。
次に行に注目すると、最初は左へ向かって流れてゆくように書かれて見えます。遊ぶことが好きで、やるべきことよりも楽しいことを優先しがちな方に多く見られる特徴です。しかし、ネロリさんの中では「いやいやそれではいけない」と自分を律しようとする声もあって、葛藤しているようです。それは、左へ流れつつある「神奈川県」を「横浜市」で右側へ少し戻し、「藤が丘」でまたずっと右に戻すところに表れています。
次に、文字の特徴に移ります。考え方を表す「接筆部」は、ハガキの表面では閉じている文字と開いている文字が混合していますが、裏面では完全に閉じています。考え方は生真面目なタイプと判断してよいでしょう。下の左右の接筆部分は開いていますね。これは詰めやお金の使い方を表すので、少し甘いところがありそうです。
行動面を表す「転折部」は表面裏面合わせると、丸型と角型が半々というところでしょうか。時と場合によって明るく柔軟性のある時と、規範に忠実な時があるようですね。
さらに、ネロリさんの注目すべき特徴は、「縦線での強い起筆ヒネリ」と「頭部の突出の長いこと」です!なかなか堂々たる大字型に加えて、このひと癖ありそうな(失礼!)筆跡特徴は何を語るのでしょうか。まず起筆は文字通り、最初に筆を入れる場所です。ここをグッとひねるのですから「私は書きます!!」と、書く行為を相当意識して気合を入れていることがわかります。そして、横線から上に伸びる縦線は長く突出しています。2つの特徴から、何事にも自分なりのこだわりを持ち、平凡では満足しない傾向があることがわかります。最後に、ハネの部分はしっかりハネている「ハネ強型」。これは取り組んだら最期、完成するまで諦めない頑張り屋さんに多い文字特徴です。
以上の特徴から、ネロリさんの悩みの原因がかなりわかってきました。つまり、ネロリさんは生来生真面目な上に美学やこだわりがあって、ちょっとしたことも「気軽にやる」ということが難しいらしいのです。
何かをやる前には、必要性や将来性などが様々な観点から検討し、自分の期待するレベルに到達しなければやらない、といったところがありませんか?しかも、好き嫌いがハッキリしていて、質量ともに目指す目標が高いので、なかなか自分自身にも満足することができない。でも何かしなければ、という焦りがまた自分を追い込んでゆく。行動エネルギーの出口が見つからなければ「買い物で発散」となっても不思議ではありません。
そんなネロリさんへのアドバイスは「気軽さ」です。しかし肩の力を抜いてみよう、と言われてもどのように抜いてよいか判らないものですよね。そこで、筆跡からまず変えてみましょう。ポイントは、少しのあいだ起筆をひねらないようにしてみて下さい。また、接筆部の上は開けて下はしっかり閉じましょう。転折部は丸くするのです。ネロリさんは、やはり「自分にしか出来ない何か」を40代で確立されたほうがよいでしょう。誰かの真似や、個性を抑えられる職業では欲求不満になるからです。何かしら「非凡さ」を打ち出せて、それが評価されるものを見つけて下さい。頭部の突出の長さから、リーダーや人の指導をするような職業も向いています。もともと頑張り屋さんで、好きなものにはのめり込む(右への払いが長い)ネロリさんですから、決まれば一気にぐんぐん伸びていきます。それまでは、ちょっとでも「これかな?」と興味が惹かれるものがあったら100%満足しなくてもやってみて下さい。それが次のヒントを隠し持っていますから!